それはバンドブームが第2フェイズに移ろうとしていた頃のことだった。1985年にハウンドドッグとレベッカがブレイクして、バンドブームは始まった。それに続いてバービーボーイズやTMネットワークなど、85年以前にデビューしていたバンドがブレイクする。BOØWYもそうしたバンドの一つだった。その後、ブルーハーツやユニコーンなど、85年以降にデビューしたバンドが人気を得て、バンドブームはピークを迎える。 そんな世代交代の真っ最中の87年12月24日のライブで、BOØWYが解散を発表。今、思えば、このライブが日本のバンドシーンが第2フェイズに移行する重要な分水嶺だったと思う。同時に空前絶後の事件でもあった。なぜ事件なのかと言えば、バンドブームにおいて頂点を極めたバンドの最初の解散であり、周辺の事情に一切関係なく、純粋にメンバーの意志による解散だったからだ。僕はこの事件以降、これほど潔い解散を見たことが