「弱くてもいいことが許されている気がする」 「お尻の穴に指を入れてみてほしい」 数年前、当時付き合っていた風の男性に、切実な面持ちで、そう頼まれて承ったことがある。 いきなり何を言っているのかと思う人がほとんどだと思うし、正直なところ当時の私もそう思ったが、まずは話を聞いてほしい。なぜそんなことを言われたのかは覚えていないのだけれど、とかく針で刺したらはち切れそうな表情だったので、それなりの事情があったのだろう。とりあえず私は頼まれたとおりのことを実践することにしたのだった。 しかし、いざ指を挿し入れてすぐ彼が泣き出してしまった。びっくりした。普段の彼はとても頼りがいがある人で、歩けばトラブルにぶち当たるというよりは、呼吸をしているだけで体内にハプニングを取り入れてしまうごとく災難に見舞われまくっていた当時の私を事あるごとに助けてくれていた。そんな彼が涙するのなんて初めて目の当たりにして、