「かわいいっ。お母さんはイヤリングを見ているから、その間にサイコロを振ってきて」。四十代の母親が目を輝かせてショーケースをのぞき込む。「えーっ、ママが似合うのはもっと安いのだよ」。自分より宝石を優先された小学四年生の息子は、少しむくれて意地悪を言った。 十月二十二日土曜日、秋田市の大町商店街にある宝飾店「時幸堂(ジコードウ)」。母子がはしゃぎながら店内を見て回っていた。買いに来たわけではない。大町と通町の二商店街を中心に催された「商店街スゴロク」というイベントに参加しているのだ。 両商店街は同市中心部の千秋公園の近くにある。秋田藩主の居城が置かれた公園だ。店主らは「郊外のショッピングセンターに客を奪われ、土日は一段と客足が遠のく」と嘆くが、この日は七十二組、百人以上が訪れた。黄色いスゴロクの参加用紙を手にした親子連れや子供達で、街に黄色い花が咲いたように見えた。 商店街スゴロクのルールは簡
2017年12月27日、元オウム菊地直子さんの裁判で最高裁が上告棄却を決定したことを、マスコミからの問合せで知った。彼女は2015年8月号の月刊『創』に獄中から手記を書いており、それを前後して私は何度も接見に通ったし、手紙のやりとりもしていた。彼女がそんなふうに接触したマスコミ関係者は私だけだったと思う。というのも、彼女の「マスコミ不信」は相当なものだったからだ。今回私のところに来たマスコミからの問い合わせは、彼女にインタビューができないかというものだったが、それは難しいだろう。 (注:この記事は最初27日に書いたもので、彼女はコメントも出さないのではないかと書いたがそれは間違いで、弁護士を通じて短いコメントを発表した) でもそれは無理もない。無罪が確定することになった今だからこそ明らかなのだが、彼女は警察のずさんな見込み捜査によって17年間も全国指名手配され、マスコミでも「走る爆弾娘」な
非降雪地域の人だと意外に知らないことも 冬になると、雪国はもちろん、普段雪の降らない地域でも、年に1~2回は雪が降って大慌てになることも……。そこで雪道のドライビングについて、おさらいしておこう。 1)スタッドレスタイヤを履く まず肝心なのは、雪道で一番モノを言うのは、クルマではなくタイヤだということ。4WDだろうが、SUVだろうが、セダンだろうが、ミニバンだろうが、高性能で新しいスタッドレスタイヤを履いたクルマにはかなわない。 だから雪が降ったら、問答無用でグリップ力に優れたスタッドレスタイヤを履くこと。逆にいえば、夏タイヤしかなければ、少々の雪でも走らないこと。関東の平野部などで、珍しく雪が降ったとき事故が急増するのは、「このぐらいの雪なら」と甘く見て、夏タイヤのまま走ろうとするから。 4WDでも制動力は他のクルマと変わらないので、とにかく過信しないこと。タイヤチェーンももちろん有効だ
http://www.spaceworld.co.jp/www.spaceworld.co.jp 遊園地やテーマパークの「終わり」というのは、どうしてこんなに人をせつない気持ちにするのだろうか。 僕自身は『スペースワールド』に熱心に通っていたわけではなく、開園してから27年間に、たぶん5回くらいしか行ったことはないのに。 そんなヤツが『スペースワールド』を語るな、と言われてしまうのは百も承知なのだけれど、なにかと賑わっている博多(福岡市)に比べて、北九州というのは、かなり人口が多い政令指定都市にも関わらず、九州の他県からみると、「行くところは、スペースワールドと門司港レトロくらいかな……」という感じではあったのだ。 ちなみに僕は門司港レトロにある「九州鉄道記念館」が好きです。 www.transport-pf.or.jp 『スペースワールド』ができたのは、1990年4月。 友人たちと男だけ
本書『光明皇后(瀧浪貞子)』(参照)というシンプルな表題を見てまず思ったことがある。大げさな言い方になる、という自覚はあるという前提であえて言うのだが、日本史の最大の謎は、光明皇后であると私は考えている。もちろん、「聖徳太子」にも謎は多いし、桓武天皇にも平清盛にも謎はある。他にもいろいろ挙げればきりがない。なのになぜ光明皇后なのかというと、おそらく彼女こそが実質的な天皇家の創作者だろうと思うからだ。 なぜか。その関連から補足したい。まず、「日本史」と「天皇」という概念は日本書紀によっているというのが基本。この書紀のモチーフは、「持統天皇が正統である」というイデオロギーである。そもそも「持統」というのが「統を持す」ということである。 いきなり穿った見方になるが、そうしたイデオロギーが必要になるのは、実態は逆であるか、疑問が強かったからだろう。つまり、「持統天皇は正統ではない」という命題が当時
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