ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (760)

  • 大量のレース鳩がこつぜんと消えたミステリー

    <英国イングランドの中東部に位置するピーターバラで行われた鳩のレースで、放された1万羽の鳩がほとんど戻ってこなかった......> 英全土で1日のうちに25万羽の鳩が行方不明に 6月のある晴れた土曜日、英国イングランドの中東部に位置するピーターバラで行われた鳩のレースで、奇妙なことが起きた。3時間程度で終了すると思われたレースで、放された1万羽の鳩がほとんど戻ってこなかったのだ。 鳩レースは、レース会場で一斉に鳩を放ち、鳩の巣であるそれぞれの鳩舎までの距離と、戻ってきた時間をもとに速さを算出してスピードを競う。レースで使われるのは通常のドバトではなく、英語でhoming pigeonと呼ばれる、高い帰巣能を有する伝書バトだ(homingは鳥の帰巣能を意味する)。 しかし不思議なことに、前述のピーターバラでのレースのみならず、6月19日に開催された鳩レースで放された鳩はほとんどが戻ってこ

    大量のレース鳩がこつぜんと消えたミステリー
  • EUにも嫌われ始めた中国の戦狼自滅外交

    China's 'Tone-Deaf' Diplomacy Hardens Attitudes in Europe, Brussels Expert Says <ウイグル族の人権侵害を理由に対中制裁を発動したEUに報復制裁を繰り出した中国投資協定も頓挫し、欧州との融和的関係は危機に瀕している> 新疆ウイグル自治区における人権侵害が広く報道されるなかで、中国政府とEUは対立を深めている。ヨーロッパを味方につけたい中国だが、友人を作るより失うケースのほうが多くなっているようだ。 中国とEUが、まさにやられたらやり返す報復合戦に陥ったのは今年3月のことだった。EUが中国北西部に住むウイグル族に対する人権侵害の責任を負う中国当局者4人と1団体を対象とする制裁に踏み切ったところ、中国はただちにそれ以上の報復制裁で反撃した。 」 この一件は、10年近い交渉で合意にこぎつけたEUと中国の包括的投資協定

    EUにも嫌われ始めた中国の戦狼自滅外交
  • 北朝鮮が支援国・中国からの入国を徹底して禁止せざるを得ない事情

    North Korea Refusing Entrance to Chinese Diplomats, Building Guard Posts Along Border <同盟国で援助国でもあるはずの中国の外交官さえ入国させない姿勢。一方で政府の体制と金正恩の体形にも変化が> 北朝鮮は最近、中国外交官の入国を禁止したようだ。韓国の諜報機関が報告した。さらに、あらゆる違法な越境を阻止するため、国境沿いに監視所やコンクリート構造物を建設しているという。韓国の国家情報院(NIS)は7月8日、韓国の議員たちに向け、北朝鮮中国人の入国を阻止していることについて非公開で説明したとAP通信は報じている。 説明会に出席した議員の一人、河泰慶(ハ・テギョン)によれば、北朝鮮はまだ外国製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを入手していない模様だということも、NISは明らかにしたという。最

    北朝鮮が支援国・中国からの入国を徹底して禁止せざるを得ない事情
  • 世界的な出生前遺伝子検査の大手・中国BGI、分析データが当局に渡る可能性

    中国の遺伝子解析最大手BGIグループ(華大集団)が中国軍と共同開発した出生前検査のデータを二次利用し、診断データが国家安全保障に直接関連する場合には中国当局に提出可能な規定となっていることが分かった。 写真は、BGIグループの出生前検査を受けた際に提出した同意書のコピーを手にする女性。ワルシャワで3月撮影(2021年 ロイター/Kuba Stezycki) 中国の遺伝子解析最大手BGIグループ(華大集団)が中国軍と共同開発した出生前検査のデータを二次利用し、診断データが国家安全保障に直接関連する場合には中国当局に提出可能な規定となっていることが分かった。同社の出生前検査は世界中の妊婦数百万人に利用されている。ロイターが公開資料などを基に調査した。 BGIが人民解放軍と協力して出生前検査を開発し、診断データを保管・分析していることが明らかになったのは初めて。 BGIは2013年に出生前検査の

    世界的な出生前遺伝子検査の大手・中国BGI、分析データが当局に渡る可能性
  • 中東最大の海運拠点、ドバイのジュベル・アリ港で積荷が爆発 当局が消火作業中

    中東最大の海運拠点であるドバイのジュベル・アリ港で船舶の爆発による火災が発生した。UOL/YouTube 中東最大の海運拠点であるドバイのジュベル・アリ港で7日、船舶の爆発による火災が発生した。ドバイ政府の広報、ドバイ・メディア・オフィス(DMO)によると、当局が消火作業を行っており、鎮火に向かっているという。 DMOの長官は現地のテレビ局アル・アラビーヤに対し、爆発は可燃性物質が入ったコンテナの「通常の事故」だと述べた。 同局はドバイ警察の話として、爆発の原因は輸送中の「摩擦または高温」の可能性があると報じた。 DMOの発表によると、死傷者はいない。

    中東最大の海運拠点、ドバイのジュベル・アリ港で積荷が爆発 当局が消火作業中
  • ハイチ大統領暗殺、自宅に武装集団 暫定首相は非常事態を宣言

    ハイチ政府は7日、モイーズ大統領(53)が同日未明、自宅に押し入った武装集団に射殺されたと発表した。写真はモイーズ大統領。2016年11月撮影(2021年 ロイター/Jeanty Junior Augustin) ハイチ政府は7日、モイーズ大統領(53)が同日未明、自宅に押し入った武装集団に射殺されたと発表した。首都ポルトープランスでは数カ月前から武装集団による抗争が続いていた。大統領暗殺を受け、米国のほか、他の中南米諸国から犯行グループに対する非難が相次いでいる。 ハイチのジョセフ暫定首相は「野蛮な行為」と非難した上で「政府の持続性を確実にし、国を守るために全ての手段を講じる」と言明。閣議後にテレビ放映された演説で、期間2週間の非常事態を宣言した。 ジョセフ氏によると、事件が起きたのは現地時間午前1時ごろ。「身元不明の集団が大統領の自宅を襲撃し、大統領が殺害された。武装集団の何人かはスペ

    ハイチ大統領暗殺、自宅に武装集団 暫定首相は非常事態を宣言
  • 中国「愛国者」は香港の悲劇を無視...だが今度は自分が警察暴力の被害者に

    <香港警察の暴力を支持した中国土の学生たちだが、自分たちが被害者になったときに同じ目に遭ってしまった> 「私は香港警察を支持する」。一昨年、南京師範大学中北学院の学生が中国SNS上でデモを取り締まる香港警察の暴力を支持したとき、たった2年後に自分たちが香港の学生と同様に警察の暴力を受けることなど全く想像できなかっただろう。 6月4日、南京師範大学中北学院など江蘇省・浙江省の5つの大学で大規模な抗議活動が起きた。この5つの大学に属する「独立学院」は、教育省の命令で別の高等職業学校と合併し、職業大学に変わることになった。4年制大学に入学したはずの学生たちは、短大卒業に近い学位になってしまう。 明らかな権利の侵害だが、中国メディアはほとんど報じず、その上、地元警察が大量に出動して抗議する学生たちを殴り、催涙スプレーを吹き付けた。怒った学生たちは中国SNSの微博(ウェイボー)で助けを求めたが、受

    中国「愛国者」は香港の悲劇を無視...だが今度は自分が警察暴力の被害者に
  • 中国共産党100周年式典は、習近平ただ1人を礼讃するイベントと化した

    共産党の未来は、習近平の未来。後継者指名を先送りにして強権支配を続ける習の前途に、毛沢東の教訓がちらつく> 世界有数の厳重飛行制限空域である北京の大通りの上空に現れたいくつものヘリ──中国共産党の結党100周年記念式典の最終リハーサルが始まったのは、番の2週間前だった。 「100」の字を組んで編隊飛行するヘリが、私の自宅の窓の向こうを飛び過ぎていく。青・黄・赤のスモークをたなびかせたジェット機がその後を追い、けたたましい音を立てて天安門広場へ向かった。 100周年記念式典に際して軍事パレードは行わないという事前の発表どおり、パレードの予行演習はなかった。軍が行進する際は通常、近隣住民は窓とカーテンを閉めて外を見ないよう指示される。 ただ、共産党テクノロジーに精通していることを考えれば、一連の行事に現実のパレードは必要なかった。6月28日、北京の国家体育場(オリンピック・スタジアム)で

    中国共産党100周年式典は、習近平ただ1人を礼讃するイベントと化した
  • カナダで気温49℃、森林火災で町の9割が火の海に 火災積乱雲に警戒

    炎に覆われるブリティッシュ・コロンビア  2 RIVERS REMIX SOCIETY / VIMEO.2RMX.CA/REUTERS <カナダ西岸の町で、国の観測史上最高となる気温49.6℃を記録。高熱と乾燥が大規模火災を招き、町の9割が消失した。州内では、特殊な「火災積乱雲」による事態悪化が懸念される> ヒートドーム現象による高気温が続くカナダで、気温が観測史上最高を記録した。バンクーバーが位置する西岸のブリティッシュ・コロンビア州(以下「B.C.州」)では、高温と乾燥した空気によって100件超の山火事が発生し、現在も進行している。 同州の山間にあるリットンの町では、気温が華氏121度(摂氏49.6度)に達し、カナダ観測史上最高を記録した。高気温はその後、町内で大規模な森林火災を招くことになる。カナダ民放局のCTVは地元紙の情報として、7月1日朝までに被災面積が2万エーカーに達し、リッ

    カナダで気温49℃、森林火災で町の9割が火の海に 火災積乱雲に警戒
  • ゴシップと政治報道の香港紙「アップル・デイリー」はこうして死んだ

    廃刊前日、蘋果日報のスタッフはスマートフォンのライトを点灯して、社前に集まった支持者に感謝の気持ちを伝えた Chan Long Hei FOR NEWSWEEK JAPAN <アパレルブランドで成功した黎智英(ジミー・ライ)の転機は1989年の天安門事件。多くの実業家が共産党の支配に沈黙を守るなか、黎の蘋果日報(アップル・デイリー)は独特のスタイルで民主主義を擁護してきた> 中国共産党が、土と同レベルの一党独裁を築こうとしている香港で、民主主義を擁護してきた蘋果日報(アップル・デイリー)が、廃刊に追い込まれた。最後の発行日となった6月24日は、多くの香港市民が行列を作って買い求め、発行部数は100万部に達したという。 いつかこの日が来ることは、1年前に香港国家安全維持法が施行されたときから予想されていた。同法は、中央政府が香港においても、反体制的と見なす言動を厳しく取り締まることを可能

    ゴシップと政治報道の香港紙「アップル・デイリー」はこうして死んだ
  • Amazonのジェフ・ベゾスは地球に還ってこないで...署名が14万筆を突破

    宇宙企業ブルーオリジンのクルーカプセルのモックアップに乗るベゾス氏 REUTERS/Isaiah J. Downing <7月に宇宙ロケットで旅立つベゾス氏は、もうそのまま宇宙にいれば良い......。こんな署名活動が話題を呼んでいる> 「ジェフ・ベゾスの地球帰還を許すな」。このように銘打った過激な署名キャンペーンを米北東部ミシガン州の住民が立ち上げ、14万人を超える賛同者を集めている(7月2日現在)。署名活動はオンラインの署名収集サイト『Change.org』上で現在も継続中だ。 発起人の「リック G」を名乗るユーザーは署名活動のページにおいて、「億万長者など存在すべきでない...地球上にも、宇宙にも。しかし後者を選択したのであれば、ずっとそこに留まるべきだ」と述べ、痛烈な批判を展開している。6月10日に公開されたこのキャンペーンは、およそ2週間で10万人の賛同者を集め、3週間で13万人

    Amazonのジェフ・ベゾスは地球に還ってこないで...署名が14万筆を突破
    taron
    taron 2021/07/05
    まあ、言いたいことは分かるw
  • 熱波のアラスカで「氷震」が発生...珍しい自然現象の仕組みを解説

    What Is an Ice Quake? Alaska Hit With Cryoseism Amid Northwest Heat Wave <歴史的な熱波に襲われて多数の死者も出ている北米だが、それによって「氷震」という珍しい自然現象も発生している> 北米大陸の太平洋岸北西部が記録的な熱波に見舞われているが、米アラスカ州では、その影響を受けたものとみられる2度の「氷震(アイス・クエイク)」が観測された。アメリカ地質調査所(USGS)のデータによれば、現地時間2021年6月28日夜と30日夜に、カナダと国境を接するアラスカ州の都市ジュノーで2度の揺れが発生した。 28日の揺れは規模がマグニチュード2.7で、震源の深さが6.6キロメートル。30日はマグニチュード2.6で、震源の深さは9.4キロメートルだった。この程度であれば、いずれの揺れも、たとえ感じたとしてもさほど強くなかったはずだ。

    熱波のアラスカで「氷震」が発生...珍しい自然現象の仕組みを解説
  • 選択的夫婦別姓を認められない日本の何が問題か

    はいつまでも女性の力を活かせないまま(3月8日、性差別撤廃を求める東京のデモ) Issei Kato-REUTERS <懐古趣味の保守派が他人の選択にまで反対し続ければ、少子化や介護など新しい家族の形を求める現実のニーズに追いつけないまま社会は疲弊する> 6月23日、夫婦別姓を認めない民法750条は婚姻の自由を定めた憲法に違反するとして青野慶久「サイボウズ」社長らが原告となって国に賠償を求めた憲法訴訟で、最高裁大法廷は2015年と同様、民法750条に対して合憲判断を下し、最高裁判所第1小法廷は24日に原告の上告を退けた。最高裁は、いつまでこの腰が重い態度を貫けるのか。家族のあり方は、まさにどんどん変わろうとしているのに、選択的夫婦別姓すら導入できないのはなぜなのか。批判が集まるのは当然だ。 今回の判決は2015年の最高裁判決を踏襲している。2015年判決には、夫婦同姓制の合理性として、

    選択的夫婦別姓を認められない日本の何が問題か
  • 日本は「緊縮策の病」を克服できるか

    コロナ禍後の経済正常化を加速させるための政策判断が、今後10年の日経済の行方を大きく左右する Behrouz Mehri/REUTERS <米国では財政政策が経済復調を大きく後押ししているが、日の状況はどうか...... > 6月24日米国では、バイデン大統領と約20名の超党派議員グループの間で、8年間で約1.2兆ドル規模のインフラ投資案が合意された。これは、バイデン政権が掲げていた米国雇用計画のインフラ投資(約1.36兆ドル)が、やや規模が縮小して実現するプロセスが進んだと評価できる。 バイデン政権が打ち出した、雇用計画と家族計画は、総額2兆ドル以上の広範囲に渡る歳出拡大プランである。これを実現させるために、まず多くの米国民が望んでいるとされているインフラ投資について共和党を含めた超党派で合意をまとめた。 そして、共和党議員の賛同を得ることが難しい、低所得世帯や子育て世代に対する所得

    日本は「緊縮策の病」を克服できるか
  • 桐生ココ、日本が生んだバーチャルYouTuberアイドルの「卒業」を世界中のファンが悲しんでいる

    <日から世界に普及したVTuber。そのスターである桐生ココの「卒業」発表に、外国のファンたちも騒然となった> 6月9日、衝撃の一報に世界中の若者が泣き、悲しげなミーム(ネット上でのはやりの画像やフレーズなど)をシェアし、ファンアートを投稿していた。日アイドルである桐生(きりゅう)ココの「卒業」を知って喪失感に襲われたのだ。 言っておくが、ココは「リアル」なアイドルではない。日のカルチャーが生んだバーチャルYouTubeのスターだ(チャンネル登録者は120万人を超える)。バーチャルYouTubeの世界をさくっと紹介しよう。 バーチャルYouTubeとは 生身の人間ではなくアニメやバーチャルのキャラクター「バーチャル・ユーチューバー」、略してVチューバーをフォローするチャンネルだ。Vチューバーは2010年代半ばに日で人気になり、今や世界中に普及している。 キャラは大抵、生身の人間の

    桐生ココ、日本が生んだバーチャルYouTuberアイドルの「卒業」を世界中のファンが悲しんでいる
  • ロンドン暴動から10年、イギリスにもう1つの分断が

    <2011年8月、ロンドンからイギリス各地に拡大した暴動の発端となった、警察による黒人男性射殺は、イギリスの大きな分断を明らかにしている> 10年前、ロンドンで暴動が発生し、イギリス中に拡大した。イギリス人なら誰しも覚えている衝撃的な出来事だ。僕は当時、20年近い外国生活を経てイギリスに帰国したばかりだったから、母国の驚くべき一面を改めて思い知らされることになった。 明らかにイギリスには、他者には理解も及ばないような怒れる底辺層が存在していた。僕たちは今なおその現実と生きている。2つのイギリスが存在し、今日に至るまで政治はその分断を修復できていない。 例えば保守党は、貧困層をより豊かにして社会的機会を増大させるという「底上げ」策を語る。労働党はかなり左傾化を続け、労働者を通り越して少数派を代表する党にまで成り果てている。どちらの党もその過程で、伝統的な支持層を失うリスクを冒した。労働党は直

    ロンドン暴動から10年、イギリスにもう1つの分断が
    taron
    taron 2021/07/01
    貧困層の生活世界が理解できないほど荒んでるという話ではあるなあ。
  • トランプ支持に翳り? 久々の演説なのにQアノンが「もううんざり」

    QAnon Supporters Express Boredom With 'Same Old' Trump Speech: 'This Is Getting Ridiculous' <トランプ元大統領が政治活動を再開したが、「2020年の大統領選では勝ったのは自分だ」などの主張は陰謀論者にも通じなくなっている?> ドナルド・トランプ前大統領は6月26日、オハイオ州ウェリントンで退任後初めて大規模集会を開催し、支持者の前で演説を行った。 だが陰謀論を信奉するグループ、QAnon(Qアノン)をはじめとするトランプの長年の支持者はトランプの演説に不満を爆発させ、2020年の大統領選挙での敗北に関する「相も変わらずの」不満の繰り返しだと非難した。 最も狂信的なネット上のトランプ支持者を含むQアノンは、テレグラムという暗号メッセージング・アプリを通じて、トランプが「2022年(中間選挙)のための初

    トランプ支持に翳り? 久々の演説なのにQアノンが「もううんざり」
  • ニューヨークの新名所「リトルアイランド」の素晴らしさと、厳しい現実

    チューリップ形の支柱が並んだ構造が目を引くリトルアイランドは都会の中のオアシス的な楽しさが魅力だが MICHAEL GRIMM <市民の憩いの場は、資金も運営も民間の「善意」が頼り。過密都市ニューヨークのジレンマが浮き彫りに> ニューヨークでも特に目を引く2つの新名所はどちらもイギリスのデザイナー、トーマス・ヘザーウィックの作品だ。銅色の鋼鉄で覆われた高さ約45メートルの展望台「ベッセル」は2019年に、ハドソン川に浮かぶ水上公園「リトルアイランド」は今年5月にそれぞれオープンした。 ベッセルは世界でもまれに見る大失敗に終わった。総工費2億ドル。多数の階段で構成された蜂の巣状の構造が特徴で、ニューヨークの再開発プロジェクト「ハドソン・ヤード」の目玉になるはずだった。 ところが実際は、周囲が殺風景で最上階からの眺めも地上からと変わらなかった。車椅子利用者にはひどく不便で、ベース部分の段に座ろ

    ニューヨークの新名所「リトルアイランド」の素晴らしさと、厳しい現実
  • トルコ大統領の怒りの裏にある、知られざるトルコとNZの歴史問題

    トルコ上陸作戦を行うアンザックの兵士(1915年4月) PHILIP SCHULLERーTHE AGEーFAIRFAX MEDIA/GETTY IMAGES <「連合国」史観、白人至上主義思想、そして中国......第1次大戦の激戦からモスク襲撃事件へとつながる点と線> 3月15日、ニュージーランドのクライストチャーチでオーストラリア人ブレントン・タラントによる銃乱射事件が発生した。死亡した50人のほとんどがモスク(イスラム礼拝所)にいたムスリムだったため、イスラム世界のリーダーを自任するトルコのエルドアン大統領は18日、ニュージーランドとオーストラリアを激しく非難。両国が反発する事態となっている。 「チャナッカレの戦いで、あなたたちの祖父は歩いて、あるいは棺桶で帰国した。また同じことをすれば、あなたたちの祖父のように棺桶で帰すことになるだろう」 エルドアンが言及した「チャナッカレの戦い」

    トルコ大統領の怒りの裏にある、知られざるトルコとNZの歴史問題
  • 保守派が親ロシア、リベラルが反ロシア...アメリカで起きている逆転現象

    PHOTOILLUSTRATION BY NEWSWEEK JAPAN, SOURCE PHOTO BY DENIS BALIBOUSEーREUTERS <これまでアメリカロシアを敵視する傾向が高かったのは共和党支持者だが、トランプ以降はこの傾向が逆転している> バイデン米大統領は6月半ばに欧州を歴訪しEU首脳と対ロシアでの団結を図ったが、米国内ではロシアへの見方に変化が起きている。共和党支持者は伝統的にロシアに強硬的だったが、プーチン大統領に好意的なトランプ政権以降、ロシアに好意的な層は民主党よりも共和党支持者のほうが多くなった。 今では「ロシアアメリカの敵」「プーチンはアメリカへの脅威」と答える民主党支持者はそれぞれ51%と75%であるのに対し、共和党支持者は29%と60%。また、NATOに敵対的だったトランプ前米大統領の影響か、共和党支持者の間でのNATOの好感度も逆転し、今では

    保守派が親ロシア、リベラルが反ロシア...アメリカで起きている逆転現象