現代ソマリランドと室町日本、かぶりすぎ! ノンフィクション作家・高野秀行と、歴史家・清水克行が「世界の辺境」と「昔の日本」を比較した異色対談『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。その一部を紹介する。 高野 清水さんの本に出会ったのは、僕の『謎の独立国家ソマリランド』を読んだ、翻訳家で映画評論家の柳下毅一郎さんが、「ソマリの氏族による庇護と報復のシステムは、『喧嘩両成敗の誕生』で描かれている室町時代の日本社会とまったく同じ」というようなことをツイッターでつぶやかれているのを知ったからなんです。読んでみて本当にそうだと思いました。 『喧嘩両成敗の誕生』のまとめの章に、「当時の人々は、身分を問わず強烈な自尊心をもっており、損害を受けたさいには復讐に訴えるのを正当と考え、しかも自分の属する集団のうけた被害をみずからの痛みとして共有する意識をもちあわせていた」とありますよね。 これって、まるっきり