小学生の頃から「算数をやっている時間が一番平和」だと感じていたほどに、久保友香はずっと数学が好きだった。高校卒業後の理系への進学を考えたときに、数学をより社会に活かせる分野として、機械工学を専攻することに決めた。 「温暖化問題が話題になったり、温室効果ガスの削減のための国際会議が京都で行われていたり、環境問題が注目されている時期だったこともあり、卒業論文で私は森林をテーマに研究を行いました。森林は木材を供給するエネルギー資源としても考えられるし、CO2を固定する環境資源でもあるので、エネルギー資源として使うことと環境資源として残すこととがどのようなバランスに保たれるのが最適なのか、そのようなことを分析しました」 同時に、森林は日本人にとって神が宿る場所でもあり、文化的な意味合いも強い。久保はその部分にも惹かれたが、工学の領域に文化論を介入させるとブレてしまうため、卒業論文に盛り込むことは断
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