<以前の「ニューヨーカー」は郊外に転居してしまい、都市経済の回復はなかなか見通せない> 2020年春以降、コロナ禍によるロックダウンが、ニューヨークを直撃しました。正確に言うと、この街には二重の衝撃が走ったと言うことができるでしょう。国境が事実上閉鎖されたことによる、国際観光都市という機能の消滅と、テレワークの一般化による昼間人口の消滅という衝撃が重なったのです。 その結果として、半数以上のレストランが廃業に追い込まれ、ホテル業界と公共交通機関も大きな打撃を受けました。都市の経済ということでは、現在でもニューヨークはコロナ前の水準への回復は見通せていません。アメリカ全国ということでは、経済の指標は明らかに好調です。ニューヨークに本拠を置くような金融や情報系の産業も、一部の銀行を除けば好調です。 ですが、いわゆる「ニューヨーカー」はマンハッタンから1時間ぐらい離れた郊外に転居して、夫婦ともに
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