(※)NETは後のテレビ朝日(ANB)。 ネットワークチェンジ後の当事者 当時,JNN系列はラ・テ兼営の地域一番局を中心に25局で構成されていたのに対し,教育専門局だったNETをキー局とするANN系列はクロスネット局を含めても約3分の1の8局。“5社連盟”からスタートし,JNN系列の礎をTBSと築き上げた老舗の矜持からも,いわんや経営的にも話を呑めないABCはいろいろ条件を出して朝日新聞に抵抗したが,外堀を埋められた格好となりいわば格下のNETと組まされる結果となった。下世話な話でたとえると,将来を誓い合っていた名家同士のカップルが,親の政略で引き離され,格下の貧しい家と縁組みさせられる——といったイメージだ。ABCは上場していたので,当然株主は朝日新聞だけではない。業績が悪化するのが分かっていて特定の株主の思惑だけでネットワークチェンジを迫るのは,現在なら株主代表訴訟ものの事案だろう。