3年前、映画「苦役列車」に出演し、同作でブルーリボン賞新人賞と東京スポーツ映画大賞新人賞をダブル受賞したマキタスポーツさん。ミュージシャンやお笑い芸人が俳優業に進出するのは珍しいことではないが、お笑いと音楽を融合させたセンスの独自性と、俳優としての才能が、同時期に花開いたケースは稀だろう。今やバラエティー、ドラマ、映画のみならず、アーティストとしても活躍している。 将来は芸能の道に進むこと、音楽でも何かを表現することは、中学2年生のときに決めていた。 「小学生の頃は、人が言っていることがよく理解できなかったんです。ずっと頭に靄がかかった状態で。それが、漫才ブームをリアルタイムで体験したときに、『こんなに面白いものがあるのか』と衝撃を受けました。言葉で笑いを取るのって、なんてカッコいいんだろう、と。物事の分別がつかない子供だったせいか、頭の中で何かがヒットした瞬間は、しつこく覚えているんです