私は昔、時間にルーズだった。 病的なほどで、集合時間に時間通りに到着することが決してできない。 どんなに重要な待ち合わせにも、必ず5分遅れて到着、ひどいときは1時間も遅刻していた。 時間に縛られることが、自分を否定されているように感じていたことと、 先読みができず、出発時間間際に必ず他にしなくてはならないことがみつかるという悪癖が主な原因だった。 それに、時間にルーズというのは自分の個性だとかたくなに信じていた。 そういう自分の個性を認めてくれる友人こそ、本物の友達だと考えていた。 仕事で遅刻することも多かったが、親友と会ったりデートをするときこそ、余計に遅刻してしまう。 そもそも時間にうるさい女性とはつきあわないようにしていたが(とはいえ、いい顔をする相手は皆無だったが)、 時間にルーズなところを変えようとした彼女には、だんだんと嫌気がさして別れたことがある。 しかし、30を超えてから、