若手、といっても通る美貌。けれどキャリアは実に長い。ギター教師の父親のひざの上で2歳半から手にした楽器とは、30年近い付き合いになる。 「ギターは同志です。今日の状態はどうかな、とまず健康チェック。新しい楽器を手にしたときは、固い音、柔らかい音…いろんな振動を覚えさせます。楽器の状態になってからも木の細胞は生きていて、顕微鏡でみると動いている-そう聞きました。クリアな音を出せば、細胞がまとまってくる。家で練習して、ホールに出たとき、いい響きの中でまた楽器の経験値があがる。オーケストラと共演したすぐ後で、またオーケストラとやるとよくない。弾きすぎると楽器も疲れちゃうことがあります」 そんな楽器の息づかいが聞こえてくるのが、名作を集めたソロ・アルバム『ソレイユ~ポートレイツ2~』だ。ビートルズの「ヒア・カムズ・ザ・サン」、ビゼーの有名なオペラをアレンジした「カルメン組曲」、「オルフェのサンバ」