折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroruki/PICSPORT 6月24日の日本陸上競技選手権・男子100m決勝。今月の10日に追い風参考ながら9秒94を出し、突如として世界陸上の100m代表候補に名乗りを上げた多田修平(関西学院大)の登場で、リオデジャネイロ4×100mリレー銀メダルメンバー桐生祥秀(東洋大)、山縣亮太(セイコー)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)の3強対決から4強対決となって注目されていたレースは、予想外の結果になった。 決勝レース後、電光掲示板に表示された自身の記録を見て、少し戸惑った表情を見せた桐生祥秀 波瀾の主役になったのは、その4人ではなく今秋からのフロリダ大入学を控えるサニブラウン・ハキーム(東京陸協)だった。たしかに、前日の予選と準決勝で10秒06を連発して