いわゆる若手と呼ばれる博士たちを含む、さまざまな立場の「博士号持ち」の人に会って話を聞く機会が多い。 いつも感心するのが、みなさんえらく面白いことをやってらっしゃるということ。しかも、相当レベルが高い。ひとつのことを極めた方ばかりなので、考えてみるとそう不思議ではない。 確かな知識と旺盛な探求心のもと知的活動に勤しむこんな博士たちのことを、もっと世の人たちに知って欲しいとも思うのだが、どうにも機会が少ない。 少子化で、大学内に若手を正規採用するポストが激減していることが少なからず影響している。ほとんどの場合、非正規雇用かそれすらもない場合が珍しくない。 日本は役職を重視する社会である。正規雇用されない以上、役職上は組織の末端に位置づけられてしまう。そうなると、どうなるか? たとえ博士号を持っていたとしても、扱われ方は大学院生あたりと同じレベルにとどまる。 実際には、彼らは何年も研究キャリア