僕は、食品会社の営業部長だ。会社は中小企業。業務用食品から給食事業まで、良くいえば手広く、悪くいえば計画性なく食に関わる仕事なら手を出している。大手から極小、食品会社から給食会社、それから町中華や立ち飲み屋まであらゆる規模の顧客・競合と日々戦っている。慢性的な人材不足状況は悪化の一途で、部長職の僕が現場に入りパートさんから亭主と物価高への愚痴を聞かされながら漬物をつくっているほど。新規採用も苦戦している。人材不足、売り手有利。そのなかで僕が監督している営業部は三年前から新規採用を見送っている。コスパとタイパが悪いからだ。超有名企業やガンガンな会社が、アホみたいに新入社員をもちあげてる涙ぐましい入社式をテレビニュースで見て、新卒採用を止めた判断は間違っていないと確信した。 理由はいくつかある。一つめは、新卒採用に力を入れている大手に対抗することは不可能だからだ。初任給30万を提示している有名
