今週、ユーロ圏市場にボラティリティー(変動)が凄まじい勢いで戻ってきた。イタリアとスペインの国債利回りが大きく振れ、銀行株が乱高下する一方、ユーロは対ドルで急落した。 不透明感の高まりを受け、イタリアとスペインの10年債の利回りは一時、1997年以来の高水準となる6%を突破し、政策当局に市場安定化のための追加対策を求める声が上がった。 一部のストラテジストは、早急に対策が講じられない限り、ユーロ圏というプロジェクトが崩壊しかねないと警告している。 シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ブイター氏は言う。「危機は広義の周縁国、あるいは緩やかな中核国と呼べるイタリアとスペインに移った。我々が話しているのは、形勢を一変させる事態であり、金融システムの危機だ。これはユーロ圏にとって実存的な問題だ」 ユーロ圏の危機が世界的な危機へ発展する恐れ 一方、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(R