戻る 総括 PDF版 世界経済は各国で成長の同時減速を続けており、2019 年の成長率は再び下方修正され、世界金融危機以降で最も低い 3.0%と予測されている。各国の景気拡大が同時進行した2017 年の 3.8%と比べると、これは深刻な落ち込みと言える。この景気低迷は、高まる貿易障壁、貿易や地政学的な情勢をめぐる不透明感の増大がもたらした帰結である。また、複数の新興市場国において、各国特有の要因を受けたマクロ経済面の制約があること、また、先進国で高齢化や生産性の伸び悩みといった構造要因があることも、今のさえない経済成長につながっている。 2020 年における世界経済の成長率は 3.4%へとやや改善する見込みだが、4 月の見通しからは 0.2%の下方修正となる。しかし、現在の同時減速とは異なり、2020 年の成長回復は裾野が狭く、心もとない。先進国の成長率は 2019 年と 2020 年とも