映画「シン・ゴジラ」を見たので感想を書きます。 エンタメ映画としての感想も最後に少し書きますが、おもに「社会派映画」として見た場合の感想です。ネタバレはあります。 本作の「ゴジラ」が象徴するのは自然災害ではない 本作「シン・ゴジラ」においてゴジラという巨大生物が作中で引き起こす被害は、火災・津波・建物の倒壊です。これらの映像から思い起こされるのは、当然ながら各種大規模地震、台風、火山の噴火などの「自然災害」であると言えるでしょう。それこそなんらかの震災直後であれば公開は不可能だったのではないかと思われるほどの「再現性」がありました。 しかしながら、ゴジラが象徴するのは自然災害ではありません。先述の通り、映像の作り方としては災害を意識したはずですが、そのまま自然災害を意味するものではないと私は考えます。 なぜなら作中で明確に、「ゴジラは災害ではなく生き物だ」「ゆえに駆除が可能だ」などと言及さ