オンライン小説の歴史は、パソコン通信やインターネットなどオンライン通信の歴史と同じくらいの長さがある。 たとえば1981年元旦に発足した小田原マイコンクラブのBBS「マイコンセンター」上に原田えりかによって85年8月頃から約3年にわたって毎日、全1038回書かれたSFファンタジー「シシャノミルユメ」がおそらく日本初のオンライン連載小説だろうと目されている(小口覺『パソコン通信開拓者伝説』小学館、98年、48-52p)。 本来ならばストレートにオンライン小説、なかでもWWW(ワールドワイドウェブ)上に書かれたウェブ小説の歴史自体を辿っていきたいところだが、サイトや作品は時代とともに消えていくことが多く、のちの世の人間が整理することは難しい。 そこで、この連載では奥付が刻印される「本」を軸に確実に辿ることのできる「ウェブ小説書籍化の歴史」、つまりウェブに書かれた小説はいかにして本になってきたの
![90年代ウェブ小説の書籍化|飯田一史|monokaki―小説の書き方、小説のコツ/書きたい気持ちに火がつく。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/287d1e6b0b2ab9138705af984baab5c58928ecdd/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F43041179%2Frectangle_large_type_2_011e8350619615cf837e2589285fabe6.png%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)