ミーアから誓約書の写しと共に、龍の生息地と巣があると思われるポイントを記したこの国──ラグス・ダタルナーグ王国の地図を受け取った。 「随分高そうな地図に書き込んでくれたな」 「少しでもお役に立つのなら幸いですわ。まだまだ足りない分はどうぞ私のから──」 「それはいりません」 心の中の「いるもの」「いらないもの」と書かれた箱の後者にそっと入れておきたい。主に俺の心の平安のために……恐ろしいほどのプレッシャー、鎮まれ、鎮まるんだ俺の股間。 「リュー様はいけずな事ばかりおっしゃります……ところで、魔力操作の方が上達されましたか?」 「そうだな操作はそこそこ上達していると思う。魔力の圧縮なら前回の1/1000──直径2mm程度の大きさまで圧縮した状態をリラックスして持続出来るようになったし、自分が認知しうる範囲へ性格に移動出来るようになったが、だがそれ以上の精密な操作が行えない上に魔眼が使えないの