米国のトランプ政権が本格的に動き出した。 日本車に対する批判も気になるが、大統領は中国および欧州との関係も見直す構えを見せている。大統領は戦後世界秩序を形成した基本の枠組みを本気でリセットするつもりなのだろうか。 WTO脱退の「現実味」 まず自動車問題だ。トランプ大統領は1月23日、米国企業幹部たちとの会合で「我々は日本に車を売るのが難しいが、日本は見たこともないような大きな船で何十万台もの車を米国に輸出している。これは公平ではない」と批判した。 大統領は選挙戦でも「日本が米国の牛肉に38%の関税をかけるなら、我々は日本の車にも38%の関税をかける」と公言していた。今回の発言もその延長線上にある。とはいえ、実際にどうするのか、具体策はあきらかでない。 大統領が本当に日本車を狙い撃ちして高関税をかけようとすれば、ハードルはいくつもある。日本から米国に輸出するケースはどうか。米国は日本の乗用車