パリ第8大学ヴァンセンヌ校に「女性学センター」を立ち上げた、エレーヌ・シクスー(Hélène Cixous、1937年アルジェリア生まれ)の著書『メデューサの笑い』の「新しく生まれた女」と題されたエッセーに、同性愛に関する興味深い記述があったので引用しておきたい。 シクスーはフランスのフェミニスト*1で、「エクリチュール・フェミニン」(女性的エクリチュール écriture féminine*2)の提唱者。英文学専攻で、ヘンリー・ジェイムズに関する論文「ヘンリー・ジェイムズ、投資としてのエクリチュールあるいは、利息の両義性について」も邦訳されている(筑摩世界文学大系49『ジェイムズ』所収)。また、小説、詩、戯曲など創作の分野でも実に多彩で旺盛な活動をしている。 邦訳は他に『狼の愛』(紀伊国屋書店、asin:4314007044)、『ドラの肖像』(新水社、asin:4883850226)があ