_ 明晰かつ想像力に富む頭脳が陰謀論に心を奪われるとどうなるか 超久々にルソーでも読むかと、まだ読んだことがない本が光文社の新訳シリーズで出ていたので手に取った。飯を食いながらぼつぼつ読んでいたのが読了した。 孤独な散歩者の夢想 (光文社古典新訳文庫)(ジャン=ジャック ルソー) 自民党のおかげで今や風前の灯の天賦人権説を、何もないところから生み出した人類史上に燦然と輝く大天才がルソーだった。人は人として生まれ、人として死ぬ。 そのルソーが50後半から66歳で死ぬまでの間に書き溜めたのが孤独な散歩者の夢想らしい。 読み始めて驚いた。論旨は明瞭、意思は明確、主張は堅固、しかし話がおかしい。世の中すべてがルソーに対して迫害のために日夜敵意をむき出しに、隙あらば襲い掛かってくるという内容だからだ。 また、運が悪いことに、坂道を散歩中に犬に襲われて転倒し、口蓋裂傷、歯が数本折れるという大けがをする