記録的な大雨を降らせた台風19号で、河川の水位を下げるために水を溜め、下流の東京近郊などで氾濫しないように建設された各地の大規模な調節池、遊水地が、総貯留量の9割に達していたことが、各河川事務所などへの取材で分かった。長野県や福島県などで大規模氾濫が発生する一方、東京近郊は回避できたとされてきたが、実際には目前に危機が迫っていたことが判明した。 ■渡良瀬遊水地、過去最大量に…利根川、江戸川守る 各地の河川事務所などによると、茨城、栃木、群馬、埼玉4県にまたがり、利根川に流れ込む渡良瀬川などの水の量を調節する役割を持つ日本最大の渡良瀬遊水地は、今回の台風で総貯留量約1億7千万トンのうち、過去最大となる約1億6千万トンをため込んだ。 渡良瀬川が利根川に合流する埼玉県久喜市の栗橋観測所では、13日午前1~10時まで、水位が氾濫危険水位の8・9メートルを超えていたが、利根川から分かれて東京湾に注ぐ