この研究の概要 この手法では、物語の展開に重要な箇所を抽出することで要約としている。そこで、「登場人物の感情が示されている部分は他の部分に比べて重要である」という仮説を立てて、これに基づいた要約手法を提案。それに加え、可読性を考慮して場面転換を示す表現と、抽出文に対して結束性があると判断された周辺の文も要約に含める。 この手法のおおまかな流れ 1.登場人物の推定 まず、地の文を形態素解析する。そして、副助詞"は"を後ろにつけて複数回出現する名詞で、意志制のある動作を示す述語が使われていれば登場人物と推定する。 2.照応解析(参考:照応) 主題が省略されているとき(=ガ格,ハ格がない文のとき)、"彼","彼女"が文中に出現したときには、直前の地の文の先行詞候補から先行詞を選ぶ。先行詞となる優先度は、以下のとおり。 この照応で登場人物が先行詞となったら、その文も抽出される可能性がでてくるこ