日本映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 『白鳥の湖』の最大の魅力は、一人のバレリーナが無垢なオデット(白鳥)と悪魔の娘オディール(黒鳥)を踊り分けることだろう。 オデットの悲しく儚げな表情や、指先までたおやかで繊細な動きから、一転して妖しくも艶かしいオディールへと変化する、その違いを同じ人間が踊りだけで表現することへの驚きと感動が肝である。 ……と云うほどバレエに詳しくはない私だが、かつてパリ・オペラ座のエトワールであるノエラ・ポントワさんの『白鳥の湖』をテレビで見て、衝撃を受けたことは今でも鮮明に覚えている。 ところが、映画『ブラック・スワン』は『白鳥の湖』を取り上げていながら、その踊り分けがほとんど映されていない。それどころか、バレエ団の舞台裏を描い