ジョコ大統領(中央)はジャカルタからの首都移転計画を力強く発表したが SIGID KURNIAWAN-ANTRA FOTO-REUTERS <ジャカルタからボルネオ島の未開発地域に移すというが世界の先例を見れば計画はプラスにならない> 公害や交通渋滞が深刻で、地盤沈下が急速に進むインドネシアの首都ジャカルタ。ジョコ大統領は先頃、問題だらけのこの街の首都機能を、ボルネオ(カリマンタン)島の未開発地域に移転する計画を発表した。 ジャカルタからの首都移転は、長期的に見れば理にかなっている。気候変動の影響をもろに受けそうな都市であることを考えても、当然の流れだろう。 だがボルネオに首都を築くために新たな開発を行ったのでは、温暖化対策にプラスにならない。既にボルネオでは、森林破壊が大きな懸念を生んでいる。 不安材料はほかにもある。約3000万人が暮らす大都市圏から、ほとんど何もない場所に首都機能を移
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