今回は,水害を想定した四つのパターンを検証した(図1)。検証の概要は以下の通りである。水を満たした二つの洗面器にそれぞれ2個のHDDを60分間沈める。片方は水道水,もう片方は食塩水である。水道水は河川の氾濫やスプリンクラーによる浸水を,食塩水は沿岸部で津波が発生した場合を想定している。HDDは防水加工がされていないため,数十分間も沈めればHDDの内部は水浸しの状態になる。 水害の場合,HDDの敵は水に含まれるカルシウムやカリウム,ナトリウムなどのミネラルだ。ミネラルが精密部品に固着すると,動作不良を起こすばかりか復旧作業の妨げにもなる。 従って一般的には「ミネラルが固着するのを防ぐために,濡れたHDDは濡れた状態のまま専門会社に持ち込むとよい」という(検証を担当したアドバンスドテクノロジーの金田龍介氏)。 検証ではこの点に着目。水道水に沈めた2個のHDDのうち,一つは引き上げた後に水道水を
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