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標題のニュースについて読売新聞にコメントしました.私の意見はコンパクトなものになるようですが,脳神経内科医として大きな関心があり,じつはいろいろ個人的な感想を述べました.以下,まとめておきます. この臨床試験を要約すると,大規模グローバル臨床第Ⅲ相Clarity AD検証試験で,開始18カ月の時点での全般臨床症状の評価指標であるCDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)スコアの平均変化量は,レカネマブ群が偽薬群と比較して-0.45となり,27%の悪化抑制を示し(p=0.00005),主要評価項目を達成したというものになります.詳細はプレスリリースをご覧ください.以下,感想です. ◆感想① とても大きな効果とまでは言えないが,27%抑制できたことは大きな進歩である.加えて今後の研究における意義は極めて大きい. 理由1.理由1.認知機能の低下の進
アルツハイマー病の治療薬としてアメリカの製薬会社と日本のエーザイが共同で開発した新薬について、アメリカのFDA=食品医薬品局は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質を減少させる効果を示したとして治療薬として承認したと発表しました。 アメリカの製薬会社「バイオジェン」と日本の「エーザイ」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」は症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。 これについてFDAは7日「臨床試験の結果、『アミロイドβ』の減少が確認され、患者の症状への効果が合理的に予測される」と評価し治療薬として承認したと発表しました。 FDAによりますとアルツハイマー病の新薬が承認されたのは2003年以来18年ぶりで、アミロイドβに作用する治療薬は初めてだということです。 今回の承認は深
臨床医にはそれぞれ印象深い症例報告の経験がある.私の場合,「治せないと思われた患者さんの治療ができた症例報告」がそれに当たる.フリードライヒ失調症と考えられてきた姉妹に,αトコフェロール輸送タンパク(αTPP)遺伝子の変異を見出してビタミンEによる治療を行ったこと(Ann Neurol 43: 273, 1998),繰り返す過眠を呈するナルコレプシー患者さんに抗アクアポリン4抗体を見出し,免疫療法で改善したこと(Sleep Med 10: 253-255, 2009)はその例である.今回,ご紹介する症例報告も同様に印象深い経験であった. 抗IgLON5抗体関連疾患という自己免疫性神経疾患が報告されている(Lancet Neurol. 2014 Jun;13(6):575-86).IgLON5は神経細胞接着分子のひとつである.本疾患は症候として,閉塞性睡眠時無呼吸を伴う進行性non-REM・
認知症の治療に日本でも使われている4種類の薬が、フランスで8月から医療保険の適用対象から外されることになった。副作用の割に効果が高くなく、薬の有用性が不十分だと当局が判断した。日本で適用対象から外される動きはないが、効果の限界を指摘する声は国内でもあり、論議を呼びそうだ。 仏連帯・保健省の発表によると、対象はドネペジル(日本での商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン、リバスタッチ)、メマンチン(同メマリー)。アルツハイマー型認知症の治療薬として、これまで薬剤費の15%が保険で支払われていたが、8月からは全額が自己負担になる。 東京大の五十嵐中(あたる)特任准教授(医薬政策学)によると、フランスは薬の有用性に応じて価格や保険で支払われる割合を随時見直している。今回の薬は7年前にも専門機関から「薬を使わない場合と比べた有用性が低い」との評価を受け、保険で
6月1日、フランス厚生省(社会問題・健康省)はプレスリリース(※1)を発表。「現在、アルツハイマー病の治療のために使われている薬(※2)を、8月1日より医療保険のカバーから外す」としました。 今回、対象となった薬は、アルツハイマー病で認知症になった人の症状の進行を抑制するものとして、日本でも広く使われています。もちろん医療保険でカバーされ、必要な人は1割~3割程度を自己負担すれば手に入れることができます。 もし医療保険から外れると、手に入れるには全額が自己負担となり、本人が支払うお金が高額になります。 アルツハイマー病による認知症になった人にとって、薬が使えるかどうかというのは深刻な問題です。なぜ今回、フランスでは「医療保険から外す」という結論に至ったのか。その背景を探りました。 アルツハイマー病治療薬のメリットの証拠は不十分? フランスには2005年に設立されたHAS(高等保健機構)とい
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2005年以降、 非定型向精神薬:atypical antipsychotics (eg, risperidone, olanzapine, quetiapine fumarate)と死亡率増加との関連性に関連するエビデンスが出現し、安全性に関する議論が盛んになってきている。薬理的なドパミン作働性、セロトニン作働性、ムスカリニック作動性、アドレナリン作動性などとの関連性に関する原因考察と共に現象論的把握のための研究も進められている。 後顧的研究により、コリンエステラーゼ阻害剤治療高齢認知症患者では、向精神薬使用は心筋梗塞リスクとして、軽度で、時間限定的に関連性を認めた。 Antipsychotic Use and Myocardial Infarction in Older Patients With Treated Dementia Antoine Pariente, et. al. A
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