高速道路の利用料を巡り、政府が景気対策の一環で割引制度を導入し、民主党も衆院選の政権公約(マニフェスト)に無料化を盛り込む中、フェリー業界が悲鳴を上げている。 すでに現行の割引で高速道に客を奪われ経営に影響が出ているだけに、「無料化されたらもたない」「高速道ばかり優遇するのは不公平」などと不満の声も上がっている。 神奈川県横須賀市と千葉県富津市を結ぶ東京湾フェリー(横須賀市)。今夏は書き入れ時のお盆でも満船になることがほとんどない。「例年だと、2、3時間待ちになるのに」と島崎敏行・総務部長はため息をつく。 自動料金収受システム(ETC)を着けた普通車を対象に、地方の高速道料金を土日祝日は上限1000円にする割引が3月に始まって以降、同社のフェリーを利用する車の台数は休日は3割減った。東京湾アクアラインに客を取られたためで、今月からは千葉県などの財源負担で、アクアライン通行料は平日も普