アゾフスターリ製鉄所を拠点に抵抗したウクライナ部隊が「降伏」したため、ロシア軍はウクライナ南東部のマリウポリを完全制圧した。ロシア国防省によると、停滞する東部戦線へ部隊を転戦させ攻勢を強める考えで、戦闘の長期化が予想される。長期化による最大の犠牲者は民間人だ。これ以上の犠牲を出さないた めに一日も早く停戦すべきだ。 今ならロシアはマリウポリでの戦果を強調できる一方、ウクライナ側も激しい反撃で重要港湾都市オデッサを維持し「負けていない」とアピールできる。今こそ停戦交渉を再開できるタイミングだ。国際社会も、この好機を逃さず停戦交渉を促すべきだ。 ロシアのプーチン大統領は「ネオナチ」との戦いとしてウクライナ侵攻を正当化してきた。製鉄所で抵抗したアゾフ連隊はロシアが「ネオナチ集団」と呼ぶ部隊。その拠点を制圧したことで国内に戦果をアピールできる。 一方で英政府の推計によると、ロシア兵の戦死者は約1万