ロシアの東シベリアで地表付近の永久凍土が融解し、過剰な土壌中の水分によってカラマツ林の枯死が進んでいることが、海洋研究開発機構地球環境変動領域の飯島慈裕・主任研究員らと名古屋大学、ロシア科学アカデミーなどの共同チームの研究で分かった。大規模な森林の変化は、東シベリアにおける大気と陸の間の熱や水蒸気のやり取りも変化させ、日本を含む北東アジアの気候に影響する可能性があるという。 研究チームは1998年から東シベリアのヤクーツクで、気温や降水量、地温、土壌水分などの総合的な観測を行っている。その結果、2004年以降に冬の積雪量と夏の降雨量が共に増加する年が3年間続いたことで、地表付近の永久凍土の融解が進み、表層土壌の水分が過剰な状態となっていること、森林の枯死も07年から顕著になっていることが分かった。 森林が枯死している場所は、調査指標とした50メートル四方のカラマツ林のうちでも、永久凍土が周