【リオデジャネイロ=小寺以作】メキシコでカルデロン大統領が進める麻薬組織との「戦争」が、泥沼化している。 ◆日本にも流入◆ 米国のオバマ政権は、メキシコからの薬物流入の勢いに危機感を強めており、9、10の両日、メキシコ中西部グアダラハラでオバマ大統領が出席して開かれる北米首脳会合でも薬物対策が主要テーマだ。メキシコからは日本にも薬物が流れ込んでいるとみられ、芸能界の覚せい剤汚染に注目が集まる日本でもメキシコの状況は無視できない。 ◆報復で警官12人殺害◆ 7月中旬、メキシコ中西部ミチョアカン州の高速道路脇に警官12人の遺体が投げ捨てられていた。直前に州内で麻薬組織「ラファミリア」(家族の意)の幹部が逮捕され、組織による報復とみられる。組織の最高幹部ナサリオ・モレノ容疑者は福音派キリスト教徒で、メンバーに飲酒や麻薬を禁じる一方、貧困層に金を配って協力を取り付け、勢力を拡大してきた。 メキシコ