宇宙航空研究開発機構の立川敬二理事長は8日の記者会見で、小惑星探査機「はやぶさ」後継機の研究開発などで注目されている来年度予算の概算要求について「(総額で)本年度予算より増えないよう言われており、はやぶさ後継機を含めて大変窮屈で困っている」と話した。 はやぶさ後継機は平成26年の打ち上げを目指しており、総額約160億円での開発を検討中。本年度予算は概算要求約17億円に対して、認められたのは3千万円だった。立川理事長は「来年度予算で何十億円か積まないと14(平成26)年には打ち上げられない。その機会を放棄すれば打ち上げが10年後になる瀬戸際だ」と危機感を示した。 政府の有識者会議などからは平成27年の無人月面探査や国際宇宙ステーションへの無人物資補給機「HTV」高性能化も提言されており、「新規項目を入れようとすると既存事業を遅らせるしかない」と話した。