独居高齢者の寂しさ軽減に役立てようと、先立った夫や妻と会話しているような感覚を得られるバーチャル(疑似的)映像のシステムを、同志社大学の藤井透教授(62)=機械工学=が開発した。近く全国の自治体や企業に協力を呼びかけ、1年以内の実用化を目指す。日本認知症ケア学会の松本一生理事は「脳活性化に大きな効果が期待できる」と期待を寄せる。 このシステムでは、生前の写真や、ビデオに残った映像などを活用し、亡くなったパートナーの表情や声を再現。利用者がテレビやパソコンの画面を通じて会話を楽しめる仕組み。 赤外線センサーで利用者の動きをとらえ、自動的に声掛けをしたり、あいさつや問いかけに応じたりする。複雑な言葉が投げかけられても、オンラインで結ばれた支援センターで待機する専門アドバイザーが返答を入力し、会話が成り立つようにする。 当初は約2000種類の呼びかけや返答を入力してスタートし、数年後には数万種類