米ハワイの太平洋陸軍司令部のあるフォート・シャフター。10月29日、この基地をイラク復興支援群の初代群長として知られる陸将補、番匠(ばんしょう)幸一郎が訪れた。陸軍種間では初の日米韓3カ国による「スタッフトークス(幕僚協議)」に臨むためだった。 「これから連携を密にしていこう」 番匠は米韓両国の将校らと笑顔で握手を交わし、議論を深めていくべきテーマを整理した。ただ、3者の間では温度差があった。 「協議を始めたことを公表しないでほしい」 韓国側は事前にそう打診した。これに対し米側は公表に前向きだった。北朝鮮ににらみを利かせ、対中戦略でも日韓との連携強化を「民主主義連合」の“エンジン役”と期待しているからだ。結局、協議の公表は見送られた。 日韓間では、日本固有の領土でありながら韓国が不法占拠を続ける竹島の領土問題が横たわる。陸自幹部は指摘する。 「『親日的』といわれる李明博(イ・ミョンバク)政