愛か、「利欲」か-。地下鉄サリン事件で特別手配されていたオウム真理教元幹部、菊地直子被告(40)=東京都庁郵便物爆発事件の殺人未遂幇助(ほうじょ)などの罪で起訴=をかくまったとして、犯人蔵匿などの罪に問われた高橋寛人被告(41)の初公判が18日、東京地裁で開かれた。家庭、仕事に絶望し自殺未遂を繰り返す男と、歴史に残る凶悪事件の容疑者として追われる女。2人の5年愛が、法廷で明らかにされた。(時吉達也)「清楚な美人」との出会い 「寝泊まりはカプセルホテルや漫喫(漫画喫茶)…。いや、漫喫と公園でしたね」 寛人被告は弁護側の被告人質問で、菊地被告と出会う前の状況について力なく話した。 内装業の職人として生計を立てていた寛人被告。結婚し2児をもうけたが、仕事上の失敗で借金を重ねたことから夫婦関係が悪化し、平成16年に離婚した。「自殺未遂を3度繰り返した」(被告)が、果たせなかったという。定住先もなく