東日本震災後、鉄道ファンの世界で、ちょっとした異変が起きている。首都圏で長年活躍してきた通勤車両が、特別なセレモニーも行われずにひっそりと引退するケースが続いているのだ。 鉄道ファンにとって車両の引退は、大きなイベントの一つだ。それらを専門に追いかける“葬式鉄”というジャンルまであるほど。しかも鉄道ファンの社会的な認知度が高まった昨今では、その情報が新聞やテレビなどのマスコミでも盛んに取り上げられ、さほど鉄道に興味のない人まで巻き込んだ一大イベントになってきた。その代表的な例としては、昨年10月にJR中央線からオレンジ色の「201系」が引退した時のフィーバーが記憶に新しいところ。記念切符が発売されたり、駅構内の飲食店で記念メニューが提供されたり、はては車両が解体される長野県まで回送電車に同乗するツアーまで出現した。 ところが、今年の6月、同じ201系がJR京葉線から引退したことを知る人は少
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