6畳間で2年間飼育されたアワビ=エクセル社提供 東京都八王子市の精密機械メーカー「エクセル」がアワビの陸上養殖を事業化する。同社によると、水道水と塩を使って内陸地で完結する「閉鎖循環型陸上養殖」は全国初という。廃水は、塩トマトなど塩水が使える水耕栽培に活用できる。その後、再びアワビの水槽に戻すことで廃棄物をほとんど出さずにすむ仕組みを実現した。「森のアワビ」として商標登録もすましており、技術やノウハウの提供事業を展開する方針だ。 同社が陸上養殖に取り組み始めたのは2008年6月。海洋政策研究財団などの研究を参考に、同市内の系列会社にあった6畳の空き部屋に縦2.4メートル、横55センチ、深さ25センチの水槽をメーンにした養殖施設を設置した。使うのは水道水に塩を混ぜた人工海水で、えさは主にわかめなどの海藻だ。気温20〜21度に保たれた環境の中、2年前に40グラム程度だったアワビが、現在は1