走行時の電力消費量を減らすため、激しい充放電に耐えられる新型蓄電池を使った川崎重工業の鉄道システム用設備が、米ニューヨークの地下鉄に導入される見通しとなった。関係者が3日明らかにしたもので、すでに数カ月にわかる実証実験を終え、省エネ効果を調査中という。世界中に鉄道車両の納入実績を持つ川重だが、ニューヨークを起点に「環境に優しい鉄道技術」の売り込みを始める考えだ。 ◇ ニューヨークの地下鉄が保有している約6千両の車両のうち約2千両は川重製が占めるほか、ワシントンの地下鉄でも今年、約750両の納入契約を交わすなど、川重は米市場で存在感を示している。ただ、省エネ型の鉄道システムをめぐっては水面下で各国メーカーによる開発が続き、世界の中心都市であるニューヨークでの受注に注目が集まっている。 ≪使用電力2割減≫ 川重が開発した蓄電池は電極にニッケルとカドミウムを使ったニカド電池の“改良版”で