変圧器輸送用の巨大貨車「シキ610形」が6日未明、滋賀県栗東市伊勢落のJR草津線手原―石部駅間にお目見えし、変圧器の積み下ろし作業が行われた。 車輪48個が付いた珍しい形状で、JR貨物によると、関西では同車の輸送作業は約1年半ぶり。 国鉄時代の1960〜70年代に5両が製造され、現残するのは1両のみで、約95トンの車両は6輪一組の台車8基で支えられる。二つに分かれて変圧器を挟みつけるようにして運び、その際の全長は通常の貨車の約2倍、約40メートルになる。 今回は神奈川県の工場から変圧器(約170トン)を運搬し、作業員が百数十人がかりで貨車から取り外した。鉄道ファン約30人も作業を注視し、大阪府高槻市の会社員浦部帝章(ただあき)さん(35)は「初めて見たが、大きさに圧倒された」と、懸命にカメラのシャッターを切っていた。