微生物には無限の可能性がある。漫画「もやしもん 」で我々はそれを学んだわけだが、小さな細菌の細胞ほど見事に環境に潜り込める生命体は地球上にはいない。 細菌が地上で果たしている役割は様々あるが、中には錬金術師も存在する。 毒性のある金属化合物を食べてもピンピンしているどころか、それを消化し、小さな金塊のフンを出すのだ。 有毒金属を分解し金を生み出す細菌 その細菌の名を「カプリアビダス・メタリダランス(Cupriavidus metallidurans)」という。 他の元素と同じように、金は生物地球化学循環を巡ることができる。すなわち分解・転換され、やがて地球の堆積物の中に再集結する。 この各段階に微生物が関与している。このことが、そうした細菌は一体なぜ土壌の中で金イオンが生じる猛毒の化合物に触れても中毒症状をきたさないのかという疑問を浮かび上がらせていた。 竿のような形をしたC・メタリダラン