生体腎移植のために臓器を売買しようとした事件で、臓器移植法違反などの疑いで逮捕された東京都江戸川区の医師堀内利信容疑者(55)が、養子縁組した元暴力団員と縁組前に一度も会ったことがなかったことが捜査関係者などへの取材でわかった。移植手術後に縁組を解消することでいったん合意していたといい、移植だけを目的とした偽装縁組だったことが改めて裏付けられた。 警視庁組織犯罪対策4課によると、堀内容疑者は昨年1月、元暴力団員坂上文彦容疑者(48)と養子縁組した。腎臓の提供を受けるためで、仲介役の住吉会系組員滝野和久容疑者(50)に1千万円を支払った。だが昨年5月になって滝野容疑者からさらに1千万円を要求されたことから、移植手術を取りやめた。その後、堀内容疑者は、坂上容疑者との養子縁組を解消。これに対し、坂上容疑者は昨年12月、縁組解消は無効とする訴えを東京家裁に起こしていた。 訴訟記録などによると、