西アフリカでのエボラ出血熱の大流行はまったく衰えを見せない。世界保健機関(WHO)によると、疑い例も含めると5000人近くが感染し、2400人を超える人々が死亡した. 現在、開発中のエボラウイルスの治療薬やワクチンは複数種類あり、既に患者に投与された治療薬としては、アメリカのマップ・バイオファーマシューティカルが、カナダ公衆衛生庁、アメリカ政府と共同開発中のZMapp(ジーマップ)がる。この治療薬は通称・抗体医薬品と呼ばれるモノクローナル抗体からできている。 人間の体の中には、体内に侵入してきた異物を排除する免疫という機能があるのは周知の通り。異物を排除するため、免疫に関係するB細胞が、ウイルスなどに感染した細胞に特有の目印に結合する抗体を作る。この抗体がただ1種類でB細胞から作る場合、その抗体をモノクローナル抗体と呼ぶ。ジーマップはエボラウイルスに作用する3種類のモノクローナル抗体を