厚生労働省の国民生活基礎調査によると、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の経済大国でありながら、7人に1人が貧困にあえぎ、母と子のひとり親世帯では半数以上が貧困に苦しむ。 日本は先進国の中で、「貧困率」の高い国のひとつとして知られている。なぜ豊かな日本で貧困率が高いのか。 貧困といっても衣食住にも困る「絶対的貧困」と、社会全体の中で見ると相対的に貧困層に属する「相対的貧困」がある。日本が高いのは当然ながら「相対的貧困」のほうで、社会全体もさほど深刻な問題ではない、という意識があるのかもしれない。実際に、貧困率というよりも「格差」と考えればわかりやすいのかもしれない。 なぜこのような貧困が、豊満国ニッポンに現れるのか。貧困問題がいろいろ報道されている割には、貧困の実態がわかっていない可能性もある。いま、日本社会が直面している貧困について考えてみたい。 ■貧困はもっと深刻? 貧困率というデータは