あなたは人に話しかけるほうが好きですか? それとも、人から話しかけられるほうが好きですか? 大半の人は後者を選びますが、それは当然。自分から話しかけるときは「相手にどんな顔をされるかな……」と不安ですし、相手から話しかけられたときは「自分と話したいと思ってくれているんだ」とうれしいものです。 しかし、書店に並ぶコミュニケーション本のほとんどが、自分から話しかけて「会話上手と思わせる」「言葉で相手をコントロールする」という心理的にも技術的にもハードルの高いものばかり。筆者はそれらの本を見るたびに、「いやいや、会話上手になったら嫌われちゃうよ」「相手をコントロールしようとする人なんて信用されないでしょ」と、心の中でツッコミを入れていました。 筆者は長年コミュニケーションに関するコンサルを行ってきましたが、相談者の亮さん(仮名、出版社雑誌記者)が、まさにそんなタイプ。亮さんは「話し方に関する本は