平安海進(へいあんかいしん)とは、8世紀から12世紀にかけて発生した大規模な海水準の上昇(海進現象)のこと。ロットネスト海進とも呼ばれているが、日本における当該時期が平安時代と重なるため、この名称が用いられている。 ローズ・フェアブリッジ(英語版)教授の海水準曲線によると、8世紀初頭(日本の奈良時代初期)の海水面は、現在の海水面より約1メートル低かった。10世紀初頭には現在の海水面まで上昇した。11世紀前半には現在の海水面より約50センチメートル低くなった。12世紀初頭に現在の海水面より約50センチメートル高くなった[1]。 日本においても平安海進の影響は大きく、特に縄文海進の時にも大規模な海進が生じた関東地方ではそれが顕著であった。例えば、戸籍の一部が残されていることで知られている下総国葛飾郡大嶋郷は現在の東京都葛飾区及び江戸川区の太日川(江戸川)の自然堤防及びその周辺にあったと推定され