アメリカでも中国でも政府は国内強硬派の圧力にさらされ、「世界で最も重要」な2国間関係がいよいよ揺るぎ始めた 中国政府が為替相場を操作している疑いがある、と9月半ばに米上院銀行委員会が開いた公聴会。議員たちはテレビカメラに向かって決して中国に妥協しない姿勢をアピールした。私はアメリカの労働者を断固として守る、という有権者向けのパフォーマンスである。 その様子を見守っていた者がほかにもいる。中国政府だ。ただ米中関係が急速に冷え込みつつあることは周知の事実だ。中国の外交官、財界人、米中関係の研究者たちにとって「アメリカの景気回復の喉元を踏みつけている」(チャールズ・シューマー上院議員)といった強硬発言は目新しいものではない。 バラク・オバマ米大統領は政権発足当初、米中関係を重視する姿勢を繰り返し、両国関係が「世界で最も重要な2国間関係」だと語っていた。そのオバマが今年に入って突然心変わりした──