北海道立江差高等看護学院(江差町)で教員からパワーハラスメントを受けた男子学生が2019年に自死した問題で、北海道による遺族への謝罪が自死との因果関係を認めたものではないことがわかった。道の代理人弁護士が4月26日付で、遺族側代理人の植松直弁護士に書面で回答した。道側は、自死に対する損害賠償には応じておらず、対立が深まっている。 道が委嘱した弁護士2人と大学教授からなる第三者調査委員会が昨年3月に報告書をまとめ、複数の教員によるパワハラ行為を認定。賠償責任を負う「相当因果関係」があると結論づけた。相当因果関係は原因となる行為から損害が生じるのが通常である場合か、損害の発生が予測可能な場合に認められる。 これを受け昨年5月、保健福祉部地域医療推進局長(当時)が遺族に会って謝罪。だが、道側はパワハラによる精神的苦痛に対する賠償には応じるとする一方で、自死に対する賠償を拒み続けているため、植松弁