岸田文雄首相がLGBTなど性的少数者への差別的な発言が問題になった衆院議員二人を政務官と副大臣に起用した。差別的発言を不問に付し、政権が掲げる多様性の尊重に疑問符が付く人事だ。直ちに見直すべきである。 首相は内閣改造に伴い、総務政務官に杉田水脈(みお)氏(比例中国、当選三回)=写真、文部科学副大臣に簗和生(やなかずお)氏(栃木3区、当選四回)をそれぞれ充てた。 杉田氏は故安倍晋三元首相の後押しで自民党に入り、過去二回は単独比例で当選した。二〇一八年の月刊誌への寄稿では、LGBTに関し「子どもをつくらない、つまり生産性がない」と主張。それ以前も「男女平等は絶対に実現し得ない、反道徳の虚妄」などと差別的な発言を繰り返してきた。