その日 投稿記事の参考にしようと 本棚から 一冊の本を抜き出した ページをめくっていたら 新聞の切り抜きが 挟んであった 朝日新聞「声」に 掲載されたものだろう 私の目にも バス停からしょんぼりと引き返す 母親の姿が浮かび 切ない話だと 思った 何故この切り抜きが 本に挟んであったのか 不可解な思いで 再読している途中で はっと 思い出した 「これは私の母のことだ」 父が亡くなった2年後に 同居していた独り身の兄が 亡くなり 80代の母は 一人暮らしになった ご近所の方が 惣菜やお菓子を持って 親戚の方は 取立ての野菜を車に積んで 時折 訪ねて来て下さった 訪問介護をしている 従姉妹は 時間とやる事に 縛りがなく 自由に出来るからと ヘルパー契約を 固辞して 仕事の合間に 母の様子を見に寄ってくれていた 県外に住む私は 月に一度 週末に帰省した 母と丸一日 一緒に過ごす為 必要な買い物以外